県西地区に住んでいた当時中学3年生のN君。
彼と出会ったのはなんと、受験直前の1月、私立高校の合格発表が終わってきた頃でした。
彼は塾に通っていて、数学の授業だけは受けていました。そのため数学の点数は実力テストも申し分ありませんでした。
そこで英語と社会を120分指導で週2回おこなってほしいという依頼でした。
それまでの実力テストは頑張っても270点台。
まず英語の力を確認しながら指導しました。
見えてきたものは、「重要度の高いもの」と「重要度の低いもの」との温度差を嗅ぎ付けるセンスが彼から漂ってこないところでした。
N君の中ではめったに出ないような、例えば現在完了には結果の意味もある、みたいな難しいところをやらないと点数が良くならないと考えていたようです。そのため、基礎からしっかりやっていき、慣れてきたら基礎もやるし応用もやる、マニアックな英語まで教えてあげました。そして社会は基礎から入試形式の問題までガツガツやりました。2月の実力テストでは300点を超えましたが、第1志望は370点くらい、第2志望は330点くらい必要な高校でしたので、まだまだです。
その後もN君は本当に真面目に取り組み、学校の先生から「実力テストの過去問があるから、これで330点を超えたら第2志望を受けてみては。」と、言われました。
やってみた結果は324点で、330点には届きませんでした。しかしN君はそれでも第2志望の県立を受けると固く決め、学校の先生にも納得してもらいました。
入試の日がやってきました。その高校の倍率は例年通り高めでした。
入試が終わり、合格発表の日の朝、N君から電話があり、「合格してました!」と報告を受けました。歓喜です。ガッツポーズをしました。50点以上、土壇場で上がった理由は、彼が真面目だったこと、やる必要があるところをしっかりと伝えられたこと、歴史は時代の流れを大事にしたことでした。